
うつ病になってから、一番大きな不安の一つがお金のことでした。
結婚前から働いていたため、ある程度の貯金はありました。しかし、退職後はその貯金を少しずつ切り崩しながら生活費にあてる毎日。最初は「また働けるようになれば大丈夫」と思っていましたが、その生活も長くは続きませんでした。
新しく就職した工場での仕事も、体調が悪化して思うように行けなくなり、お給料もまともにもらえなくなりました。
その頃の私は、とにかく「何とかしなければ」という気持ちでいっぱいで、毎日不安でした。
働きたくても体が動かない。ベッドから起き上がることすらつらい日もありました。
「このままじゃ生活できない。」
「家族に迷惑をかけてしまう。」
そんな焦りばかりが頭の中を占めていました。
休んだ日にも何かできる仕事はないかと、毎日のようにスマホで副業を探していました。
そんなある日、目に留まったのが「古着物販」の仕事でした。
メルカリなどのフリマサイトで、業者から提供された古着の商品画像や商品説明を掲載して販売するという内容で、「スマホ一つで、自分の好きな時間に好きな場所で働ける」という言葉に強く惹かれました。
「これなら今の私でもできるかもしれない。」
そう思った私は、すぐに応募しました。
オンライン説明会では仕事内容や販売の流れについて説明を受けました。話は順調に進み、「これなら私にもできそう」と期待が膨らんでいました。
しかし、一つだけ気になることがありました。
それが契約金です。
契約金の金額によって扱える古着のランクが上がり、売上も伸びやすくなるという説明でした。
「他の方は契約金以上の利益を出しています。」
「頑張れば1か月ほどで回収できます。」
そんな言葉を聞くうちに、私は「早く稼ぎたい」「安心したい」という気持ちばかりが大きくなっていきました。
今振り返ると、怪しいとは一度も思いませんでした。
焦りと不安でいっぱいだった私は、冷静に判断する力を失っていたのだと思います。
今思えば、私が本当に欲しかったのはお金ではなく、「安心」でした。
生活への不安を少しでもなくしたくて、必死だったのです。
そして、30万円の契約をしました。
このとき、夫に相談していれば…。
その後悔は今でも残っています。
心配をかけたくない。迷惑をかけたくない。もしかしたら仕事に復帰できるかもしれない。そのときに返せば大丈夫だろう。
そんな都合のいい考えを、自分に言い聞かせていました。
実際に作業を始めると、出品作業自体はとても簡単で、体調が悪い私でも続けることができました。
「これなら少しずつ売れるようになるかもしれない。」
そんな期待を抱いていましたが、現実は違いました。
最初の1か月の売上は数千円。
2か月、3か月と続けても状況は変わらず、思うように商品は売れませんでした。
通帳を見るたびに不安が大きくなり、「どうしよう」という気持ちだけが膨らんでいきました。
焦れば焦るほど冷静な判断ができなくなり、私は再び「もっと稼げる副業はないか」とスマホを開く毎日になっていったのです。
このときの私は、焦りから次々と「稼げる」という言葉に手を伸ばしてしまいました。
その選択が、この先さらに大きな後悔につながるとは、まだ知る由もありませんでした。



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